今回は、「ハリー・ポッター」シリーズでセブルス・スネイプを演じた、アラン・リックマンを紹介します。
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アラン・リックマンとは?
名前 | Alan Sidney Patrick Rickman(アラン・シドニー・パトリック・リックマン) |
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生年月日 | 1946年2月21日 |
出身地 | イギリス、アクトン |
職業 | 俳優 |
身長 | 185cm |
本名は、アラン・シドニー・パトリック・リックマンと言います。
ロンドンのアクトンで、専業主婦の母と塗装内装業者の父の元に生まれました。
アランが8歳の頃に、父が肺がんで亡くなり、母は女手一つでアランを含む4人の子供を育てました。
母はとてもたくましい人だったと、語っています。
俳優の前は、グラフィックデザイナーだった
幼い頃から芸術に興味があり、チェルシー・カレッジ・オブ・アート(CCA)に3年通いました。ヴォルデモート役のレイフ・ファインズも、CCAに通っていたことがあります。
その後、ロイヤル・アカデミー・オブ・アートに2年通い、グラフィックアートとタイポグラフィー(活字)について学びました。学内誌の『ARK』では、ライターとして活動していました。
在学中仲間とともに、「Graphiti」というグラフィックデザイン事務所を立ち上げ成功していましたが、3年後に演劇の道に進むことを決めました。
そして、26歳でロイヤル・アカデミー・オブ・ドラマティック・アート(RADA)という、演劇学校に通い始めました。RADAには、「ハリー・ポッター」シリーズの俳優陣が多く通っていました。
アルバス・ダンブルドア役のマイケル・ガンボン
ドローレス・アンブリッジ役のイメルダ・スタウントン
ピーター・ペティグリュー役のティモシー・スポール
ヴォルデモート役のレイフ・ファインズ
ペチュニア・ダーズリー役のフィオナ・ショウ
RADAを卒業後、俳優としてのキャリアを始めました。
スネイプ役は、違う人が演じる予定だった
原作者のJ.K.ローリングは、セブルス・スネイプというキャラクターを、アラン・リックマンがそれまで他の映画で演じてきた役を元に考えました。
もちろんアランに演じてほしかったのですが、第1作目のキャスティングスタッフはティム・ロスを提案し、それに承諾しました。
しかし、ティム・ロスが別の映画に出演するため断り、アランにオファーがきました。
10年間同じ衣装だった
スネイプといえば真っ黒でコウモリのような衣装が特徴ですが、アランはこの衣装を1作目から8作目まで着続けたそうです。
しかし不満を持っていたわけではなく、衣装は役を表現する大切な要素だと考え、こだわりを持っていました。
袖を仕立てる時は、手首がしっかり隠れるよう長めにするべきだと提案し、スネイプの「全てが閉じ込められた」という雰囲気を表現しました。
また、原作ではスネイプの服には25個のボタンがついていると描写されています。それも衣装で再現し、ボタンを1つ1つ閉めることで自分を閉じ込めていることを表現しました。
役に真剣に向き合う姿勢は、「ハリー・ポッター」以外の作品でも見られ、監督と納得するまで話し合っていたそうです。
実はお茶目な性格
スネイプという役柄から、気難しい人だと思われがちですが、実はとてもお茶目な人だったそうです。
「ハリー・ポッター」の撮影中に、生徒全員が大広間で寝るシーンがありました。アランはダニエルの寝袋の中に、遠隔操作でおならの音が出る装置を仕込んだという裏話があります。
そして、カメラがダニエルの顔をアップで写した時に、静かな大広間におならの音が響いたそうです。
また、ジョージ・ウィーズリー役のオリバー・フェルプスらと授賞式に出た際、プレゼントにiPodをもらったそうです。そして、メイク室で隣の席になったオリバーに、興味津々で使い方を聞いたそうです。
そしてそのiPodを愛用していたようで、フィリウス・フィルットウィック役のワーウィック・デイビスは、教師陣用の席に座るアランのウィッグから、白いイヤホンコードが見えていたと話しています。
ルーナ・ラブグッド役のイヴァナ・リンチは、アランが毎日セットに小さな子供たちを連れてきていて、スネイプの姿のまま小さな子供達に囲まれるアランの姿が奇妙だったと語っています。
結末を知っていたわけではない
原作者のJ.K.ローリングが、アランにだけ結末を話していたという噂がありますが、実は全てを話していたわけではないそうです。
1作目の制作段階で、アランの演技の手助けになるように、スネイプについて少しの情報を話したと言います。
結末について話されたことはないと、アラン本人が証言しています。
そして、アランなりに役を解釈した上で演じていた際に、葛藤もあったと言います。
最近になって、2作目の「ハリー・ポッターと秘密の部屋」を撮ったデヴィッド・ヘイマンが、アランに宛てて書いた手紙が公開されました。
その手紙には、アランが時々イライラしていたと書かれています。このイライラとは、スネイプという人物についての描かれ方に不満を持っていたということです。
J.K.ローリングと話をし、スネイプという人物をよく理解した上で演じていたため、悪者のように描かれることに納得ができなかったのだと考えられます。
しかし、スネイプ役を演じるのは楽しかったとも語っています。
50年の純愛
スネイプは、リリー・ポッターを一途に愛し続けたキャラクターですが、アラン本人もスネイプに近い部分がありました。
彼は、19歳の時に出会った初めての彼女と50年連れ添ったのです。長い同棲期間を経て、2012年に結婚をしたのですが亡くなるまで50年間、妻のリマ・ホートンを愛し続けました。
慈善活動
多くの悪役を演じてきましたが、私生活では慈善活動に積極的に参加していました。
2000年には、Saving Face Charityという、こう頭がんなど顔の手術を必要とする人をサポートする団体の支援者となり、およそ1500万円を寄付したそうです。
また、貧困を減らすことを目的としたInternational Performers Aid Trustという団体では、名誉会長を務めました。
2016年1月14日に永眠
アラン・リックマンは、2016年1月14日に、すい臓がんのため69歳で亡くなりました。
彼の訃報に、世界中の人が悲しみました。ダニエル・ラドクリフは、「アラン・リックマンは、最も偉大な俳優の1人だった。」と語っています。
「ハリー・ポッター」以外の作品は?
以下は出演映画と、filmarksでの評価です。
ダイ・ハード(1988):3.9
乙女座殺人事件(1989):3.1
ブラッディ・ガン(1990):3.3
愛しい人が眠るまで(1991):4.0
クローズ・マイ・アイズ(1991):3.3
クローゼット・ランド(1991):3.3
ロビン・フッド(1991):3.4
ボブ★ロバーツ/陰謀が生んだ英雄(1992):3.2
Mester(1994):?
恋する予感(1995):3.2
いつか晴れた日に(1995):3.7
ラスプーチン(1996):3.4
マイケル・コリンズ(1996):3.5
ウィンター・ゲスト(1997):3.8
裏切りのKISS(1998):3.2
ドグマ(1998):3.3
ギャラクシー・クエスト(1998):3.9
Dark Harbor(1998):3.8
シャンプー台のむこうに(2000):3.6
とび★うおーず(2000):3.6
ラブ・アクチュアリー(2003):3.8
奇蹟の手/ボルチモアの友情(2004):3.2
銀河ヒッチハイクガイド(2005):3.7
スノーケーキを君に(2006):4.2
パフューム ある人殺しの物語(2006):3.5
プロフェッサー(2007):3.1
スウィーニー・トッド・フリート街の悪魔の理髪師(2007):3.3
ボトル・ドリーム カリフォルニアワインの奇跡(2008):3.5
アリス・イン・ワンダーランド(2010):2.8
モネ・ゲーム(2012):3.2
CBGB(2013):3.4
大統領の執事の涙(2013):3.8
暮れ逢い(2013):3.2
ヴェルサイユの宮廷庭師(2014):3.4
アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場(2015):3.9
アリス・イン・ワンダーランド(2016):3.5
まとめ
アラン・リックマンは、自らの信念を貫き続け、人々に影響を与え続けた偉大な俳優です。セブルス・スネイプというキャラクターが、多くの人に愛されているのも、彼の想いと演技があってこそです。
アラン・リックマンのことを知ると、スネイプのことをより深く知る」ことができます。