今回は、「クィディッチ」について紹介します。
クィディッチとは?
クィッディッチは、「ハリー・ポッター」シリーズに登場する、魔法界のスポーツのことです。英語では、Quidditchと書きます。
クィディッチは、オーバル状のコート内で、選手たちがほうきに乗って戦います。コートの境界線からはみ出すことはできませんが、高さには特に制限がありません。
そのため、「ハリー・ポッターとアズカバンの囚人」では、試合中ハリーが上空高くまで飛行しています。また、片手でほうきを握るため、必然的にボールは片手で扱う競技となっています。
コートには両サイドに、高さの異なる3つのリング型のゴールが設置されています。高さの違いと得点は関係しておらず、どのゴールに入れても同じ得点です。
ボールの種類
クィディッチでは、3種類のボールを使用します。
- クアッフル
- ブラッジャー
- 金のスニッチ
クアッフルは、赤い革製のボールです。3つのボールの中で最も大きく、バスケットボールぐらいの大きさです。このクアッフルを相手のゴールに入れると、10点が入ります。
クアッフルには、片手で握れるように魔法がかけてあります。万が一ボールを落としてしまっても、わざわざ下まで取りに行く時間を省くために、落下速度が遅くなる魔法もかけられています。
ブラッジャーは黒い鉄製のボールで、2つ使われます。クアッフルより小さく、約25cmほどです。ブラッジャーには、近くにいる選手を無差別に襲う呪文がかけられています。
そのため、試合中2つのブラッジャーが自由に飛び回り、選手を追いかけ回します。ブラッジャーをゴールしても、得点にはなりません。選手妨害のためのボールということです。
金のスニッチは、羽の生えたくるみほどの大きさのボールです。ボール部分は金属でできており、羽も金色です。自由に飛ぶことができ、選手に捕まらないようコート内を飛び回ります。
この金のスニッチを捕まえると、150点が入ります。点数が高い方が勝つルールのため、スニッチを捕まえると自動的に試合終了となります。
非常に素早く飛び回るため、捕まえるのが非常に困難です。最長で3ヶ月かかった試合もあります。手で捕まえなければいけないというルールはなく、ハリーは口で捕まえたこともあります。
ポジションの種類
1チームは、以下の7人で構成されます。
チェイサー:3人
ビーター:2人
キーパー:1人
シーカー:1人
怪我などで欠場が出ても、そのままの人数で戦わなければいけません。
しかし試合が長引いた場合は、選手を交代させながらゲームを続けます。試合が3ヶ月続いた際は、交代させて仮眠をとりながら続けたそうです。
チェイサー
チェイサーの役割は、クアッフルをゴールに入れることです。
必ず投げ入れなくてはいけないため、クアッフルを手に持ったまま入れると反則となります。また、クアッフルに細工をしても反則になります。
ジニー・ウィーズリーは、チェイサーでした。
ビーター
ビーターは、ブラッジャーを専用のバットを使って阻止します。仲間をブラッジャーから守ることもあれば、バットで敵の方へ打ち返したりもします。
選手以外にブラッジャーを打ち込むことは、バンフィングという反則になります。
フレッドとジョージ・ウィーズリーがビーターでした。
キーパー
キーパーは、ゴールの前でクアッフルが得点されるのを阻止します。
必ずゴールの輪の前で阻止しなければならず、体が一部でも輪に入っていると反則となります。
オリバー・ウッドやロン・ウィーズリーがキーパーでした。
シーカー
シーカーは、スニッチだけを追います。スニッチを掴んでいいのは、シーカーのみです。
ビーターは、基本的にブラッジャーをシーカーに向かって打ち返します。そのためシーカーは、最も怪我の多いポジションだと言われています。
ハリー・ポッターやドラコ・マルフォイ、ビクトール・クラムなどがシーカーでした。
試合の流れ
基本的に、試合は次のように行われます。
- 全選手が各々のポジションにつく
- 審判がブラッジャーとスニッチを解放
- 審判がクアッフルを空中に投げる
試合開始
シーカーがスニッチをキャッチするか、両チームのキャプテンが合意した際のみ試合は終了となります。
700種類もある反則
他のスポーツと同様に、クィディッチにも反則があります。「相手を動物に変える」のような反則もあるため、700種類にも及ぶと言われています。
代表的な反則は、次のようなものです。
ブラッキング:敵のほうきの尾を捕まえること
コビング:過度に肘を使って敵を妨害すること
ブラッチング:敵にわざとぶつかるため飛ぶこと
代表的なものは広く知られていますが、反則は全て公開されているわけではありません。公開してしまうと、まだ禁止されていない手を使う恐れがあるためです。
現実世界でのクィディッチ
2005年に、アメリカの学生によって、マグルでもできるクィディッチが考案されました。基本的なルールは魔法界と同じです。
魔法界のクィディッチのように、チェイサー、キーパー、ビーター、シーカーがいます。飛ぶことはできませんが、小さなほうきにまたがり片手でプレーするのがルールです。
ビーターは、ブラッジャーを阻止するのではなく、ブラッジャーに見立てた3つのボールで、相手を妨害します。
また、スニッチはボールではなく腰に黄色のタグを巻いた人で、シーカーから逃げ回ります。
世界40カ国以上でスポーツとして行われており、ワールドカップも開催されています。
まとめ
「ハリー・ポッター」シリーズでは、クィディッチについて詳しくルールや名称を知る機会が少ないです。そのため、名前だけ知っているという人が多いです。
魔法界では最も人気の高いスポーツであるため、知ればより「ハリー・ポッター」の世界を楽しむことができます。
日本でも、マグル向けクィディッチは行われているため、興味がある人はぜひ試してみてください。